EDの原因は血管に問題が!原因を理解し適したED治療を

ED 原因

「勃起しない…」

言葉でいうのは簡単ですが、ED(勃起不全・性機能障害)の原因は千差万別です。

「気持ちが乗らない」「雰囲気が良くない」だから勃起しないんだと、そのときの気分や雰囲気のせいにして、EDの根本的な原因から目を背けていませんか?

EDの原因の多くは身体、もっと詳しく言うなら、あなたの血管に原因があることがほとんどです。

この記事では、勃起不全を引き起こしている自身の原因を知ることを目的としています。EDが血管の病気と言われる理由だけでなく、自身の勃起不全の原因を知りましょう。そして最適な解決方法を学び、正しいED治療を行っていきましょう。

EDの原因4タイプ

EDの原因には、国際的に決められた分類方法があります。

基本となるのは、国際性機能学会(ISSM)が1999年に定めた、勃起不全になる3つの原因です。ここに、最近になって分かってきた、薬の作用による勃起不全を加えた計4タイプが、勃起不全の原因と呼ばれています。

ISSMの分類を補完したEDの原因まとめ

1. 器質性ED
動脈硬化
生活習慣病
泌尿器系の疾患
男性ホルモンの低下
喫煙
2. 心因性ED
子作りへのプレッシャー
仕事のストレスや重圧
将来に対する経済的な不安
幼少期の体験
性的なトラウマ
様々なコンプレックス
3. 混合型ED
器質性と心因性を併発
4. 薬剤性ED
特定の医薬品による作用

まず1つ目は、血管や神経が原因で勃起不全になる「器質性ED」です。2つ目は精神的なストレスなど心の状態で勃起不全になる「心因性ED」。器質性なのか心因性なのか、どちらが原因なのか特定できない場合は、3つ目の「混合性ED」に分類されます。そして4つ目が、近年新たに分かってきた、服用している薬によって引き起こされる勃起不全、「薬剤性ED」です。

「器質」とは臓器や器官の性質を指す言葉です。「心因」は心にもとづく問題。「混合」はミックスされたもの。「薬剤」は読んで字のごとく薬品の問題と、それぞれの分類名だけでも原因がなんとなく想像できそうですよね。

ここからは、EDの原因4タイプについて、さらに詳しく見ていきます。心や身体がどんな影響を受けた結果、EDになるのか。何が原因で陰茎が勃たなくなってしまったのかが分かります。

器質性EDの原因

器質性EDは、年を取ったこと(加齢)や、加齢からくる動脈硬化、運動不足からなる生活習慣病などがきっかけとなます。

器質性EDは血管や血流が原因

身体の血管や神経が弱ることによって引き起こされる、最も患者数の多い勃起不全です。

動脈硬化が原因でED

動脈硬化とは、体内の一酸化窒素(NO)の減少により血管の老化が進行、動脈が硬くなる現象です。

EDはペニスの動脈硬化

勃起が起こるためには、陰茎海綿体に血液が多量に流入しなければなりません。

ところが動脈硬化が進行すると、血管の中が狭くなる、血管が詰まる、血管自体のしなやかさが失われてしまいます。血管が十分に広がらなくなるので、血液の循環が悪くなります。

このため、勃起しても陰茎の海綿体に多量の血液が流れ込まず、物理的に勃起が起こらなくなるのです。

糖尿病などの生活習慣病が原因でED

生活習慣病とは、普段の生活習慣が発症に関わる病気です。

糖尿病や高血圧、脂質異常症、高脂血症といった生活習慣病の人は、血管に常に大きな負担がかかっています。

すると血管に傷がついて、健康な人よりも動脈硬化が早く進行します。より早くEDが進行します。

ED併発率は高血圧で30%!糖尿病で80%!

EDの疫学調査としてよく引用される調査、マサチューセッツ男性加齢研究(Massachusetts Male Aging Study;MMAS)によれば、高血圧の治療を受けている患者の15%が重症の勃起不全になっています。

その後に行われた欧米7国の調査でも、高血圧患者がEDを発症する割合は26%もありました。

また糖尿病の治療を受ける男性患者のなかで、EDを併発している人は42%から90%にのぼると報告されています。これは糖尿病でない通常の男性の、2倍から4倍以上高い割合です。

肥満が原因でED

糖尿病とも深く関わるEDの原因が、食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足からくる肥満です。

男性医療従事者の疫学研究(Health Professionals Follow Up Study;HPFS)の調査資料によれば、BMI値が増加するにつれてEDのリスクも上昇するという結果が出ています。

肥満じゃなくても運動不足は改善しよう!

BMIが低い、肥満体型ではないからといって安心できないのが運動不足。

HPFSからは身体能力(運動強度)が低下するにつれてEDのリスクは上昇するという調査結果も発表されています。週に1回、2時間半以上のランニングを行った場合に、EDのリスクが3割ほど減少しました。

日本人は欧米人ほど肥満度が高くないため、米国での調査結果のデータがそのまま当てはまるとは言い切れません。しかし適度な運動が勃起障害の予防や改善に効果的なのは間違いないでしょう。

タバコが原因でED

EDを発症する要因で見逃せないもの、何度も言われてウンザリしている方もいると思いますが、タバコ、喫煙です。

タバコに含まれるニコチンには、末梢血管を収縮させる作用があります。血管が縮む、血流が悪くなる、当たり前のようですが勃起に悪影響を及ぼします。

ニコチン以外にもタバコを吸うことで発生する活性酸素(フリーラジカル)は、血管の内側の細胞を傷つけます(血管内皮障害)。喫煙が心筋梗塞などの冠動脈疾患の引き金になるのとまったく同じ理由で、勃起障害を引き起こしているのです。

タバコはEDだけじゃなく不妊の発端にも

またタバコの煙にも活性酸素が豊富に含まれており、酸化ストレスを増加させて、人体の老化を促進させることが分かっています。

酸化ストレスにより外見が老化するのはもちろんですが、体内の老化速度も早めます。つまり、体内にある精子の老化、機能の低下、数の減少につながり、最終的に不妊症として問題が表面化するのです。

もしあなたが子作りに励む若い男性で、タバコを吸いながら「勃起しない」と悩んでいるようであれば、まず手に持ったタバコを消すことが、問題解決の第一歩になるでしょう。

その他に血管と神経が原因となるED

陰茎につながる神経の損傷によってもEDは起こります。糖尿病は悪化すると合併症として神経障害が起こり、EDを生じさせます。

EDを引き起こす他の病気では、脳出血、脳腫瘍、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病などがあります。

陰茎海綿体の血管や神経を損傷するような外傷、泌尿器の病気によっても、EDが起こります。

心因性EDの原因

心因性EDは、精神的なストレスなどが原因となります。

心因性EDは精神的なストレスが原因

自律神経のバランスが崩れることで引き起こされる勃起不全です。

心因性EDと深く関わる自律神経とは?

自律神経とは、循環器や消化器、血管や体温などをコントロールするために、24時間働き続けている神経です。

自律神経には、体が活動する昼間などに活発化する「交感神経」と、体を休める夜間などに活発化する「副交感神経」があります。

交感神経の活性化がEDの原因

交感神経が活性になるのはどんな状態でしょうか?

交感神経が活性化するのは、仕事が忙しいときや緊張しているとき、テレビをみているとき、パソコンやゲームをしているときです。

激しい興奮状態や強い刺激を受けている状態で、いわば精神的に「オン」の状態。アドレナリンが出ている、と表現されるのもこの状態です。

交感神経が働いているときは、なかなか寝付けない、寝付いても眠りが浅い、息が上がる、血圧が上がるといった具合です。

一見すると、興奮していた方が勃起しやすいのでは?と考えてしまいますが真逆です。

体は緊張状態にあるため、筋肉が硬直、血管が収縮、陰茎が萎縮、その結果として勃起しにくいというわけです。

ED改善のポイントは副交感神経の活動

副交感神経が活性化するのはどんなときでしょうか?

副交感神経が活性化するのは、仕事が休みのときや風呂などに入っているとき、自宅などで気分が落ち着いているときです。

ストレスが少ない状態やリラックスしている状態で、いわば精神的に「オフ」の状態です。

副交感神経が働いているときは、神経伝達物資の分泌も多くなります。なにか楽しいことをしたい、おいしいものを食べたいなど、様々な感覚が敏感になるため、性的なコミュニケーションにもポジティブになります。

交感神経の活動を抑えると血流が改善される

血管の状態に限っていえば、副交感神経だけに着目しても血管は変化しません。血管(細動脈)は副交感神経の支配下にはないからです。血管を収縮させるのは交感神経の活動に左右されるので、交感神経の活動を弱めることが、血管の弛緩(拡張)につながります。

副交感神経が優位≒交感神経が休んでいる状態が、勃起しやすい精神状態なのです。

現代社会は必然的に交感神経が優位になる環境

現代人の生活スタイルには、交感神経が優位になっている時間が長すぎる、という問題点があります。

毎日残業が続き、自宅に仕事を持って帰る。いざ帰ってもパソコンやゲームをする。スマートフォンを頻繁にチェックする行動も、交感神経を常にオンの状態にする要因になるのです。

心因性EDは、EDの原因として20代や30代、40代くらいまでの働き盛りの男性に特に増えています。

心因性EDの改善には、交感神経をなるべく休ませて、副交感神経を優位な状態にする。休む、リラックスすることがポイントになります。

うつが原因でED

心因性EDには、仕事やパートナーとの関係がストレスになることもあれば、うつが原因になることもあります。

たまたまある日のセックスがうまくいかなかったことがトラウマとなり、それがきっかけでEDが始まるケースも少なくありません。

心のどこかに「また失敗するのではないか」という不安があると、それが新たなプレッシャーとなり、次のセックスも失敗する。再びショックを受ける。さらに自信をなくすという悪循環に陥り、EDの症状が悪化していくこともあるのです。

混合性EDの原因

混合性EDは、動脈硬化が進行していたり、生活習慣病であったりする人が、さらになんらかの精神的なストレスを受けて勃起不全を発症します。

器質性EDと心因性EDが混ざった混合性EDは年配に多い

50代、60代以降になると、多くの人が心と体の両方に何らかの問題を抱えています。比較的年配の方は、混合型のEDを発症している率が高いと考えられます。

薬剤性EDの原因

薬剤性EDは、服用している薬によって引き起こされるEDです。

薬剤性EDは薬の作用でEDになる

EDを引き起こす薬剤としては、降圧剤、抗うつ剤、向精神薬、睡眠剤、ホルモン剤などがあります。

高血圧の治療に用いられる降圧剤でED

そもそも降圧剤は器質性EDの原因となる高血圧の治療薬のはずです。しかし降圧剤を投与すると陰茎の血流も低下するため、勃起障害は避けられない状態におちいります。

高血圧患者に関する研究によれば、降圧剤を服用した患者のうちEDを併発した患者は40.4%、降圧剤を服用しなかった患者では19.8%と、大きな開きがありました。

降圧剤とEDの関係性は、薬の種類によって発症率にも差があるため、原因は未だはっきりしていません。

うつの治療に用いられる抗うつ剤でED

降圧剤と同じ理屈でEDの原因とされる薬が抗うつ剤です。

心因性EDの原因となるうつ病の治療薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や向精神薬も、勃起障害を発症させることが分かっています。

男性型脱毛症の治療に用いられるホルモン剤でED

男性型脱毛症(AGA)の治療薬として発売されたプロペシアは、5α還元酵素阻害薬に分類されるホルモン剤です。

薄毛治療の救世主として人気ですが、プロペシアもEDを引き起こす可能性が指摘されています。

EDを引き起こす可能性のある薬剤

降圧薬 利尿薬
Ca 拮抗薬
交感神経抑制薬
β遮断薬
精神神経用薬 抗うつ薬
抗精神病薬
催眠鎮静薬
麻薬
ホルモン剤 エストロゲン製剤
抗アンドロゲン薬
LH-RH アナログ
5α還元酵素阻害薬
抗潰瘍薬 スルピリド
メトクラプラミド
シメチジン
脂質異常症治療薬 スタチン系
フィブラート系
呼吸器官・アレルギー用剤 ステロイド剤
テオフィリン
β刺激薬・抗コリン薬
抗ヒスタミン薬
その他 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

EDの原因は分かりましたか?

ここまでEDを発症する様々な原因を見てきました。もしあなたがEDで悩んでいるなら、思いつく原因がいくつか出てきたのではないでしょうか?

性行為の際になかなかうまく勃起しない場合、「気持ち」や「雰囲気」など、多くの人は心因性EDという名の精神論に向かいがちです。特に若い20代、30代、40代くらいまでのED患者は、「今日はダメだけど次は大丈夫」と、現実から目を背けてしまう傾向が強いといいます。

ほとんどの心因性EDは一時的なものです。根本的な勃起不全の原因を見ずに、根本的な勃起不全の解決策は見つかりません。

EDは適切な処置を施すことで治癒可能な身体の病気、血管の病気なのです。

更新日:2017年08月14日 (公開日:2015年11月20日)