ED診断は問診だけでOK!?EDの診察から診断までを完全網羅

EDの診断

「EDの診察ではパンツ脱がなきゃいけないの?」「勃起が弱くなったと申告したのに、医者からEDだと診断されないことってあるの?」「ED治療薬が処方されないことってあるの?」ED治療したいけど診察や検査が恥ずかしいから…ちょっと待って下さい!

患者さんのほとんどは、簡単な問診だけOKなんです!ED治療の現場では、実際にどんな診察がおこなわれているのかをご紹介します!

EDのくわしい診断手順

日本性機能学会が2012年に発行したED治療のガイドラインによれば、77%の患者が問診、身体所見、臨床検査の3つで、EDと診断されています。

ED治療の問診票

ガイドラインをさらに詳しくみてみると、77%という数値の根拠は、実際に1,276名のED患者を調べた研究結果から算出されていました。

内訳は、問診の段階でEDの原因が診断された患者が57%、身体所見で診断された患者が13.9%、臨床検査で診断された患者が6.2%でした。EDで来院した患者のうち77.1%は、町のお医者さんやかかりつけ医が診断しています。

このデータからもわかるように、EDの診断は問診がメインです。診断後にはほとんどの方にED治療薬が処方されます。

問診だけでED治療薬が処方されない方の多くは「飲み合わせ」が原因です。患者が既に「ED治療薬とは併用できない薬」を利用している場合です。併用が禁止されている薬を服用中でない限り、ほとんどの患者に、簡単な問診だけでED治療薬が処方されるのです。

ここからは具体的にEDと診断されるまでの流れ、どのような診察(問診)や検査がおこなわれるのか、実例をあげながら進めていきましょう。

参考:EDの診断 /Mindsガイドラインセンター

EDの診察

EDの治療を初めておこなう患者さんは、診察内容がわからず不安なことだらけだと思います。

まず大きな誤解を受けているポイントとして、基本的なED治療の診察には、服を脱いで患部を見せたり触ったりといった行為は一切ありません。半数以上のED患者が問診だけで診断されているように、診察の内容は簡単な質問に答えるだけで済むのです。

問診票

クリニックの門をたたき、受付でED治療を受けたい旨を告げます。このタイミングで手渡されるアンケート用紙のような紙が「問診票」です。

診察がはじまる前に、問診票の質問事項に答えます。問診票は医師が患者の病状を把握するための大切なツールです。患者の自己申告である問診表をベースに、さらに詳しい質問をしながら診断をおこないます。

問診票の内容は、大きく分けて2つのブロックがあります。ひとつ目が「現在までの身体症状を把握をする質問」、ふたつ目は「EDの程度を調べる質問」です。

ひとつ目の「現在までの身体の症状の把握をする方法」では、身長、体重、喫煙歴、病歴、心身に問題がないかを尋ねられます。ここでEDの原因のひとつである「生活習慣病」が疑われれば、動脈硬化を入り口とした脂質異常症や高血圧、糖尿病の合併症ではないかと推測できます。

実際に生活習慣病の治療を受けていれば、服用している治療薬から飲み合わせの良し悪しを加味したうえで、ED治療薬が選択できます。

また対人関係からくる悩みやうつ病など、心理的要因を入り口としているのであれば、カウンセリングとED治療薬を併用するといった選択ができます。

ふたつ目の「EDの程度を調べる方法」では、勃起や性行為の満足度を申告します。

EDの度合いを測る客観的な指標として、IIEF5と呼ばれる国際勃起機能スコアが用いられます。IIEF5とはEDの診断手法のひとつで、バイアグラの臨床実験でも使用された「国際勃起障害指標 (IIEF) 」がもとになる診断テストです。

問診票からわかること
患者の基本情報
患者のニーズの抽出
リスク分析の基本情報

参考:セルフチェック ED問診票(IIEF5)について /ファイザー株式会社

診察内容

診療前に記入した問診票をもとに、医師の診察(問診)が開始されます。いつごろからEDの症状がでたのか、進行具合などを聞かれますので、できるだけ正しく伝えることが必要です。

問診で確認される内容は、大きく分けて4つ。「症状」「病歴」「飲んでいる薬とアレルギー」「生活習慣」です。

症状

勃起が弱い、中折するなど、EDと思われる症状がいつごろ出てきたのか。今日までの変化について確認をします。自身の悩みや治療への期待なども話しておくことが大切です。

病歴

病歴の把握は非常に大事です。過去に患った病気がEDの原因ということもあります。正確な病名を伝えられるようにしましょう。

飲んでいる薬とアレルギー

薬の副作用でEDを発症しているか判断ができます。またED治療薬を処方する際、飲み合わせの悪い薬を服用していないか、併用が危険な薬ではないかを確認をします。お薬手帳や薬そのものを持参しましょう。

またアレルギーを持っている食べ物や薬についても聞かれます。これも薬によって副作用をおこす体質かどうかを知るためです。アレルギー体質の方はしっかりと伝える必要があります。

生活習慣

タバコやお酒の量など生活習慣の確認をおこないます。喫煙していれば動脈硬化の可能性を疑います。お酒を飲むのであれば、肝臓の病気などの可能性を考えることもできます。

ED問診票
(中略)
いつから勃起の調子が悪いですか
特別なきっかけがありますか
身長、体重を教えてください
タバコは現在吸っていますか
タバコは1日に何本、何年間吸い続けています(いました)か(過去にタバコを吸っていた人もお答えください)
最近、うつ的な気分がありますか
糖尿病といわれたことはありますか
精神科の病気で治療されたことはありますか
心臓が悪いといわれたことはありますか
血圧が高い・低いといわれたことはありますか
心電図で異常を指摘されたことはありますか
肝臓が悪いといわれたことはありますか
腎臓が悪いといわれたことはありますか
網膜色素変性症といわれたことはありますか
他に現在、治療中の病気はありますか
過去に何か大きな病気にかかったことがありますか
現在、服用中の薬はありますか
ED治療薬を今まで内服したことはありますか

無料相談

EDの診察内容や判断基準を、医師に無料で相談ができる病院があります。

病院によっては電話やメールで相談できるため、仕事が忙しくてすぐには通院できない、地理的に病院が遠い、といった患者でも利用できます。相談とあわせて通院予約が取れるため、非常に便利です。

EDの検査

問診では判断できない場合は臨床検査が行われます。臨床検査には、血液検査(検体検査)と心電図検査(生理機能検査)があります。

EDの診断で血液検査は稀

EDの臨床検査では、検体検査と生理機能検査の両方の検査を行う場合があります。検体検査では、臓器や血液、ホルモンなど血液や体液を検査します。生理機能検査では、心臓や血管の病気、高血圧症などの循環器を検査します。

特殊な検査で診断する

夜間陰茎勃起現象

寝ている間に勃起する生理現象を利用した検査です。

夜間陰茎勃起現象で勃起を確認できない場合は、器質性EDの可能性が高いと判断されます。事故などによる脊髄損傷からEDを発症した際の診断方法として必須の項目とされています。

またEDが問題で離婚する際の訴訟などにも使われる、法的に認められた検査方法です。

検査では陰茎に細いベルト巻きつけます。そのベルトで陰茎の周径と硬度を測定します。変化が見られない場合は、勃起が確認できないと判断します。

陰茎海綿体自己注射(ICI治療)

陰茎海綿体に薬剤を注射することで勃起を起こさせる検査です。

注射後に正常であれば2分から5分で勃起がはじまります。勃起の状態により5段階で評価します。この検査で血管系の障害が引き起こすEDなのか判断できます。反応が無かったり膨張が不十分な場合は、血管の異常と判断されます。

逆に硬さもあり十分に勃起していると判断されると血管以外の問題が原因と判断できます。

陰茎に直接薬剤を注射しますが、これまでに持続勃起症などの重い副作用は確認されていません。

カラードプラ検査(color doppler ultrasound: CDU)

超音波検査機を使って陰茎に流れる血流の速度を測定します。動脈の血流の異常を判断する検査です。

ICI治療と同様に、海綿体に薬剤を注射して勃起を起こさせます。その後、超音波カラードプラ装置を使い、陰茎の動脈に流れる血流の速度を測ります。

動脈を流れる血液の速度が規定以下だと、動脈が原因のEDと診断されます。

参考:心因性ED - 診断の手順、心理テストの解析、心理療法の実際 - / EDネットクリニック:PDF

EDの診断

そもそもEDとは、「勃起が弱くなった」「以前ほど元気がない」など、過去の勃起と現在の勃起を比較した、主観が入り口です。

診察した医師から客観的に、「勃起は弱まっていませんよ」や「あなたの状態はEDじゃないですよ」と診断されることはほぼゼロです。基本的にはすんなりとEDの治療に進む(ED医療薬の処方に進む)と言っていいでしょう。

EDと診断する基準

EDの重症度を診るための診断基準はふたつ。「病歴や合併症」と「診断テスト」です。

ひとつ目は、問診から得られた病歴や合併症からEDと診断します。基準となる病気は主に糖尿病、高血圧、腎不全、骨盤内疾患、外傷・手術、加齢などです。また心理的要因のうつ病なども上げられます。

ふたつ目は、問診票の診断テストから、IIEF5テストによる国際勃起機能スコアによって判断します。25点満点のうち、基準点は21点。21点以下の場合はEDの疑いがあると診断されます。

  • 25点から22点:正常
  • 21点から17点:軽症
  • 16点から12点:中等・軽症
  • 11点から8点:中等症
  • 7点から5点:重症

参考:EDセルフチェック / EDネットクリニック

EDの診断書

EDの診断書は医師に希望することで作成してもらえます。ただし作成には条件があって、夜間陰茎勃起現象などの医学検査をおこなう必要があります。

「EDである」と証明することで、労災保険(仕事中の事故や交通事故が原因でEDになった)や自賠責保険の支払い要件が満たせます。保険以外にも犯罪事件の裁判などで、減刑に繋がることもあるのです。金銭問題が絡んでくるため、診断書の発行には、客観的な医学検査が必要となります。

逆に「EDではない」と証明する場合もあります。民法では、「EDは離婚の原因になる」と判断しています。もし妻があなたに「EDだから離婚したい」と告げてきた場合、「EDではない」と証明すれば、慰謝料や財産分与を有利に進めることができるからです。

EDのセルフチェック

EDは自宅で簡単にできる診断方法があります。医師に相談する前に、是非EDの自己診断をしてみてください。

EDのセルフチェックをする男性

自分でできる診断テスト(IIEF5)

IIEFは問診票にも使われている、EDの診断テストです。IIEFとは、International Index of Erectile Function(国際勃起機能スコア)の略で、EDの判断方法やスクリーニング(症状のふるい分け)で用いられます。

最近6カ月で該当する症状をチェックして、採点した点数からEDの程度を判断します。合計点数が21未満の場合にはEDの疑いありという結果が出ます。

診断テストはIIEF(15問)、IIEF5(5問)、SHIM(5問)と3種類あります。IIEFの派生であるIIEF5、SHIMの違いは回答項目数です。追加された項目は、「勃起する機会の有無」に関する選択肢です。

少なからず1回以上は性交を試みたようであれば IIEF5。セックスレスなど性交を試みるチャンスすら無かった場合は SHIM と、性行為と勃起の頻度に合わせて選択しましょう。

参考:EDセルフチェック / EDネットクリニック

参考:IIEF5 / 日本性機能学会:PDF

参考:SHIM / 日本性機能学会:PDF

参考:IIEF / 日本性機能学会:PDF

自分でできる診断テスト(EHS)

IIEF5テストの他にも、EDを自分で診断をする方法があります。勃起の硬さスケールと呼ばれるEHS(Erection Hardness Score)です。

硬さのセルフチェック(EHS)での硬さのイメージ
出典:硬さのセルフチェック(EHS)での硬さのイメージ / ED-info.net

EHSの診断方法は、勃起した陰茎の硬さを物に例えながら、5段階で判断するというものです。これにより「軽度のED」か「重度のED」かの判断が簡易的におこなえます。病院で治療を受ける際にも、勃起の状態を医師に客観的に伝えられるため、素早く診断を受けられます。

EHSの項目は以下の5つ
グレード0:陰茎は大きくならない。
グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない。
こんにゃくのような硬さ
グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない。
みかんのような硬さ
グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない。
グレープフルーツのような硬さ
グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している。
りんごのような硬さ

参考:硬さのセルフチェック(EHS) / ED-info.net

参考:EHS(勃起の硬さスケール) / 日本性機能学会:PDF

硬さのイメージが客観的に伝わるよう、具体的な食べ物で例えています。患者にも、医師にも、硬さのイメージが伝わりやすくなったという特徴があります。

EDの診断まとめ

病院でおこなわれるEDの診察は、ほぼ問診のみです。8割近い患者は、簡単な診察だけでED治療薬の処方が受けられます。診察に不安を感じていた方でも、パンツを脱がない、希望すればほぼすべての患者がED治療薬を処方してもらえる、と聞けば「行ってみようかな?」と思うのではないでしょうか。

もちろんED薬を飲んではいけない危険な組み合わせを判定するためには、自身の病歴や服用している薬剤、アレルギーを答える準備をしておく必要があります。薬の副作用で性行為がダメになってしまっては元も子もありません。

普段何気なく通う、近所の内科などと同じように、泌尿器科の門も叩いてみましょう。男性なら特に、EDに限らず泌尿器の悩みがいつでも相談できるよう、かかりつけの泌尿器科医を持つことをおすすめします。

更新日:2016年08月10日 (公開日:2016年07月08日)