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シルデナフィルとは、勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の有効成分です。シルデナフィルは、勃起不全のほかに、肺動脈性肺高血圧症の治療にも使われています。では、シルデナフィルのどのような作用が、EDや肺動脈性肺高血圧に効くのでしょうか?

この記事では、シルデナフィルの効果や副作用について解説します。さらに、他のED治療薬と比較し、シルデナフィルの強みを紹介。最後に、シルデナフィルの購入方法や値段も見ていきましょう。

シルデナフィルとは

シルデナフィルは、アメリカの製薬会社「ファイザー」が開発した薬の成分です。もともと狭心症の治療のために研究されていましたが、その過程で勃起を促進する作用が発見されました。そして、1998年に初のED治療薬「バイアグラ」として販売が始まり、翌年には日本でも認可を受けたのです。

勃起不全と肺動脈性肺高血圧症に効く

ED治療薬として発売されたバイアグラですが、後に肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療にも有効なことがわかりました。シルデナフィルを主成分とするPAHの治療薬は、「レバチオ」と呼ばれます。

さらに、シルデナフィルは、ほかの病気の治療にも役立つ可能性を秘めています。EDとPAH以外の病気も改善できるかどうか、研究が進められているのです。

シルデナフィルは血管を広げる効果をもつ

シルデナフィルは、血管を広げ、血のめぐりを良くする効果をもった成分です。この効果により、勃起不全や肺動脈性肺高血圧症の症状が改善されます。

ここでは、血管が広がる仕組みをまず説明します。続いて、シルデナフィルがどのような作用で血管を広げるのかを見ていきましょう。

血管の広さは平滑筋によって変わる

血管は複数の膜で覆われており、なかでも一番内側にあるのが平滑筋(内膜)です。この平滑筋が伸び縮みすることで、血管の広さが変わります。平滑筋が緩むと血管は広がり、縮むと血管は狭まるのです。

平滑筋は、cGMP(環状グアノシンーリン酸)と呼ばれる物質が働くことで緩みます。それに対し、平滑筋を縮める作用をもつのはPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素です。PDE5には、cGMPを分解して血管を狭める働きがあります。つまり、cGMPは血管を広げるスイッチ、PDE5が血管を狭めるスイッチのようなものです。

PDE5を阻害して血流を改善する

シルデナフィルは、PDE5を阻害する作用をもつ薬です。

勃起不全と肺動脈性肺高血圧症は、いずれも患部の血流が悪くなることで起こります。そこで、シルデナフィルによってPDE5を阻害し、cGMPの働きを促すのです。cGMPの働きが促進されると血流はよくなり、これらの症状が改善されます。この働きから、シルデナフィルはPDE5阻害剤とも呼ばれるのです。

シルデナフィルの副作用と禁忌薬

シルデナフィルは病気の治療に役立つ一方、副作用を起こすこともあります。なぜなら、シルデナフィルは血流の悪い血管だけでなく、正常な血管も広げてしまうからです。また、併用してはいけない薬があり、一緒に飲むと副作用が出やすくなってしまいます。シルデナフィルを飲むなら、副作用や併用できない薬を知っておきましょう。

シルデナフィルの主な副作用は頭痛とほてり

シルデナフィルの主な副作用として、頭痛やほてりといった症状が挙げられます。頭痛は、頭の血管が広がり、脳の神経とぶつかることで起こります。ほてりの原因は、血液が体内を激しくめぐることです。

バイアグラを参考に、シルデナフィルの主な副作用を表にまとめました。

【シルデナフィルの副作用】
1%以上 0.1~1%未満 0.1%未満
循環器
  • ほてり
  • 潮紅
  • 胸痛
  • 動悸
  • 頻脈
  • 高血圧
  • 不整脈
  • 不完全右脚ブロック
  • 末梢性浮腫
精神・神経系
  • 頭痛
  • めまい
  • 傾眠
  • 昏迷
  • 異常感覚
  • 下肢痙攣
  • 記憶力低下
  • 興奮
  • 緊張亢進
  • 錯乱
  • 思考異常
  • 神経炎
  • 神経過敏
  • 神経症
  • 不安
  • 不眠症
  • 無気力
肝臓
  • AST(GOT)増加
  • ALT(GPT)増加
  • LAP上昇
  • LDH増加
  • 血中トリグリセリド増加
  • γ-GTP増加
  • 血清リン脂質上昇
  • 血中アミラーゼ増加
  • 血中アルブミン減少
  • 血中ビリルビン増加
  • 総蛋白減少
消化器
  • 悪心
  • 胃腸障害
  • 口渇
  • 消化不良
  • 腹痛
  • おくび
  • 胃炎
  • 胃不快感
  • 下痢
  • 口唇乾燥
  • 舌障害
  • 白舌
  • 腹部膨満
  • 便秘
  • 嘔吐
  • 嚥下障害
泌尿・生殖器
  • 陰茎痛
  • 射精障害
  • 朝立ちの延長
  • 半勃起持続
呼吸器
  • 鼻炎
  • 呼吸障害
  • 鼻閉
  • 咽頭炎
  • 喘息
筋・骨格系
  • 関節痛
  • 筋肉痛
  • 骨痛
  • 背部痛
皮膚
  • 発疹
  • そう痒症
  • 眼瞼そう痒症
  • 脱毛症
  • 男性型多毛症
  • 発汗
  • 皮膚乾燥
  • 皮膚障害
  • 紅斑
血液
  • ヘマトクリット減少
  • ヘマトクリット増加
  • ヘモグロビン減少
  • リンパ球減少症
  • リンパ球増加症
  • 好酸球増加症
  • 赤血球減少症
  • 赤血球増加症
  • 白血球増加症
感覚器
  • 眼充血
  • 結膜炎
  • 彩視症
  • 視覚障害
  • 眼乾燥
  • 眼痛
  • 屈折障害
  • 光視症
  • 味覚異常
  • 味覚消失
  • 流涙異常
  • 羞明
その他
  • CK(CPK)増加
  • 疼痛
  • 熱感
  • BUN増加
  • インフルエンザ症候群
  • リンパ節症
  • 血中ナトリウム減少
  • 血中リン増加
  • 体重増加
  • 血中尿酸増加
  • ウロビリノーゲン陽性
  • 尿中ブドウ糖陽性
  • 尿中赤血球陽性
  • 尿中蛋白陽性
  • 疲労
  • 無力症

さまざまな副作用がありますが、命に関わるほど重い症状になることはほとんどありません。シルデナフィルを飲む際、こうした副作用が出るかもしれない、という程度で覚えておきましょう。

一緒に飲んではいけない薬

シルデナフィルには、一緒に飲んではいけない併用禁忌薬があります。併用禁忌薬とシルデナフィルを一緒に飲むと、重い副作用が起こるため、注意しなければなりません。

シルデナフィル(バイアグラ)の禁忌薬は以下の通りです。

【シルデナフィルの併用禁忌薬】
薬の種類 主な成分の名前
狭心症・心筋梗塞の薬
(硝酸剤・一酸化窒素供与剤)
  • ニトログリセリン
  • 亜硝酸アミル
  • 硝酸イソソルビド
肺高血圧症の薬
(sGC刺激剤)
  • リオシグアト
不整脈の薬
  • アミオダロン

硝酸剤やsGC刺激剤は、血圧を下げる作用をもちます。同じ効果をもつシルデナフィルと併用すると、血圧が下がりすぎてしまい、めまいや失神を起こす可能性があります。アミオダロンは心臓が動くリズムを整える薬です。シルデナフィルと一緒に飲むと、心臓の収縮時間が伸び、心臓発作や失神、心停止を招く危険性があるとされています。

また、併用禁忌薬ほどの危険性はないものの、併用に注意しなければいけない薬もあります。シルデナフィルを使って大丈夫かどうか、不安な場合は医師に相談するとよいでしょう。

シルデナフィルの特徴

シルデナフィルが含まれているED治療薬「バイアグラ」は、効果が他の薬に劣っています。しかし、そのぶん値段が安いため、費用を抑えられるというメリットがあります。

以下は、ED治療薬の効果についてまとめた表です。

【ED薬の効果の比較】
シルデナフィル
(バイアグラ)
バルデナフィル
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス)
用量 50mg 20mg 20mg
効果が出はじめる時間 60分 30分 60分
効果の持続時間 4時間から6時間 10時間 36時間
食後の服用 ×

薬の効き方には個人差があるため、表の数値は目安と考えてください。

効きめは他の薬に負ける

ED薬の効果を比較してみると、シルデナフィル(バイアグラ)は効果が出る早さ、持続時間が他の薬に劣っています。また、他の薬と違い、食後に飲むと体にうまく吸収されず、十分な効果が出ません。バルデナフィルとタダラフィルは、シルデナフィルより後に開発されたため、より改良されているのです。

安く入手できることがシルデナフィルの強み!

シルデナフィルは、他の2剤に比べて安く手に入るのがメリットです。効果の面ではバルデナフィルやタダラフィルに負けますが、費用の面ではシルデナフィルが勝っています。シルデナフィルが安く手に入る理由は、国内でジェネリック医薬品が開発されているからです。

費用を安く抑えたい人、初めてED薬を試す人などは、まずシルデナフィルを選ぶとよいでしょう。

シルデナフィルの購入方法

シルデナフィルを有効成分とするバイアグラは、病院で処方を受けて購入するのが基本です。また、通販サイトを利用すれば、より安く購入できます。ここでは、シルデナフィルの購入方法について解説します。

病院・クリニックで処方を受ける

シルデナフィルは医療用医薬品に分類されており、市販されていません。そのため、バイアグラを購入するには、基本的に医師の処方を受ける必要があります。バイアグラには、錠剤とフィルム剤の2種類があります。フィルム剤は錠剤に比べて持ち運びやすく、水がなくても飲めるのがメリットです。

バイアグラの処方には、健康保険が適用されません。そのため、費用はすべて自己負担となります。錠剤は25mg1錠で1,300円ほど、50mg1錠で1,500円ほどです。ジェネリック薬なら、3分の2ほどの金額で手に入ります。また、フィルム剤は25mg1枚で約800円、50mg1枚で約1,000円です。

バイアグラを病院で購入するメリットは、医師に診察してもらえることです。高額な費用がかかる分、安全にバイアグラを使えます。

バイアグラは通販サイトで安く買える

バイアグラは、個人輸入を代行している通販サイトを使えば、病院やクリニックに行かなくても購入できます。病院で処方を受けるより価格が安いだけでなく、様々な種類のジェネリック薬が手に入ります。以下の写真は、バイアグラのジェネリック薬「カマグラ」です。

カマグラ50mg錠

カマグラは、50mg1錠がおよそ500円で購入できます。錠剤のほかにも、ゼリータイプや水に溶かして飲む発泡錠など、国内にはないタイプの商品も入手できるのです。

カマグラ100mgオーラルゼリー
カマグラ100mg発泡錠

ゼリータイプは100mg1包450円ほど、発泡錠は100mg1錠で500円ほどです。ゼリータイプや発泡錠のシルデナフィルなら、錠剤が苦手な人でも気軽に飲めます。また、錠剤よりも消化されやすいため、効果が早く出るのも大きなメリットです。

偽造品が出回っているので注意!

通販サイトでは、バイアグラの偽造品が売られている可能性があるので注意しましょう。偽物のバイアグラはシルデナフィルが入っていなかったり、過剰に入っていたりします。また、有害な不純物が含まれている製品もあるのです。そのため、副作用や健康被害に見舞われる危険性があります。通販サイトでバイアグラやジェネリック薬を購入する際は、信頼性の高いサイトを利用しましょう。

シルデナフィルのまとめ

シルデナフィルは、ED治療薬「バイアグラ」の有効成分です。平滑筋を緩めることで、血流を改善し、勃起不全や肺動脈性肺高血圧症の治療に効果を発揮します。主な副作用は頭痛やほてりです。また、併用禁忌薬が多数あるので注意しましょう。

バイアグラは、他のED治療薬に比べて効果は劣りますが、費用を抑えられるのが強みです。病院やED専門のクリニックだけでなく、個人輸入でも入手できます。

費用を抑えつつED治療薬を試してみたいという人には、シルデナフィルがおすすめです。

参考文献・参考サイト

EDの用語集「シルデナフィル」は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。