公開日
2016/07/17
更新日
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ざっくりまとめると
バイアグラは「併用禁忌薬」と一緒に飲まないようにしましょう
持病や体質によってはバイアグラを使えないので注意しましょう
ED患者ではない人がバイアグラを飲んでも性機能は上がりません

バイアグラには副作用があります。しかし確率は低く、起こっても軽症で済むことがほとんどです。ただし、バイアグラには守らなければいけない注意点があります。バイアグラには一緒に飲んではいけない薬があります。また、持病や体質によってはバイアグラは服用できません。これらの注意点を守らないと、重い副作用が起こるのです。

硝酸剤、抗不整脈薬、sGC刺激剤とは併用できない

バイアグラの副作用を避けるためには、他の薬との飲み合わせに注意しましょう。副作用が起きる一番の原因は、バイアグラと一緒に飲んではいけない「併用禁忌薬」を飲んでしまうことです。

バイアグラの併用禁忌薬は、「硝酸剤」「抗不整脈薬」、そして「sGC刺激剤」の3種類です。

血圧が下がりすぎて重い副作用が起こる!

硝酸剤と抗不整脈薬、そしてsGC刺激剤のいずれかを使用している人は、バイアグラを服用できません。バイアグラとこれらの薬を併用すると、急激な血圧低下が起こってしまうのです。

これらの薬はそれぞれ、狭心症、不整脈、慢性血栓塞栓性肺高血圧症の治療に使われる薬です。いずれも血圧を下げる効果があります。バイアグラも同様に、血管を広げることで血圧を下げます。そのため、これらの薬とバイアグラを併用すると血圧が下がりすぎてしまうのです。

血圧が下がりすぎると、血液の流れる勢いが弱くなり、全身に十分な血液が行き届かなくなります。血圧の低下によって、脳内の血液が不足すると失神が起こり、最悪の場合は死に至るのです。

そのため、バイアグラと、血圧を下げる薬は併用できません。

以下に、バイアグラの併用禁忌薬をまとめました。

硝酸剤や一酸化窒素(NO)供与剤

ニトログリセリン
商品名:ニトロペン / ミオコール / ニトロダーム / ミリスロールなど
硝酸イソソルビド
商品名:フランドル / ニトロールなど
一硝酸イソソルビド
商品名:アイトロール / タイシロールなど
ニコランジル
商品名:シグマート / ニコランマートなど
亜硝酸アミル
商品名:亜硝酸アミルなど

抗不整脈薬

塩酸アミオダロン
商品名:アミオダロン / アンカロン

sGC刺激剤

リオシグアト
商品名:アデムバス

持病や体質によっては重い副作用が起こることも!

バイアグラの副作用を避けるふたつ目のポイントは、バイアグラと相性の悪い病気や体質を把握することです。

バイアグラは、持病や体質によっては重い副作用を引き起こします。 以下の条件に当てはまる人は、バイアグラは使えません。

低血圧・高血圧の人

高血圧、または低血圧の人は、バイアグラが服用できません。

高血圧と低血圧の基準値は以下の通りです

正常 高血圧 低血圧
上の血圧 130mmHg未満 170mmHg以上 90mmHg未満
下の血圧 85mmHg未満 100mmHg以上 50mmHg未満

高血圧や低血圧は上記のような血圧値です。治療薬の有無に関係なく、高血圧の人と低血圧の人は、バイアグラの服用ができないとされています。理由は臨床データ自体がないからです。製薬会社によるバイアグラの臨床試験において、高血圧の人と低血圧の人は事前に除外された経緯があります。

重い肝臓の病気をわずらっている人

肝機能に重い障害をかかえている人は、バイアグラを服用できません。バイアグラの有効成分であるシルデナフィルは、主に肝臓で代謝され排泄されます。肝臓の機能が低下していると、成分の排泄に時間がかかり、成分の血中濃度が高くなる恐れがあります。血中濃度が高まると、薬の成分が多く吸収され、効果が強くなる分、副作用のリスクも高まるのです

肝機能障害の程度を示す基準に「Child-Pugh(チャイルド・ピュー)」という指標があります。

Child-Pugh(肝障害度を示す尺度)
1点 2点 3点
脳症 ない 軽度 ときどき昏睡
腹水 ない 少量 中等量
血清ビリルビン値(mg/dL) 2.0未満 2.0-3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dL) 3.5超 2.8-3.5 2.8未満
プロトロンビン活性値(%) 70超 40-70 40未満
Child-Pugh分類
5-6点:class A
7-9点:class B
10-15点:class C

Child-Pugh分類では、各項目のポイントを加算しその合計点でclassA、classB、classCに分類します。

Child-Pughの指標でclassAであれば、問題なくバイアグラが使用できます。肝機能障害を抱えている人は、バイアグラを使用する際、かかりつけの医師に自分の肝機能障害の程度を確認しましょう。

医師から性行為を止められている人

心血管系障害などを理由に、医師から「性行為が不適当」と診断された人は、バイアグラの服用が禁止されています。

心血管障害とは、心臓や血管の病気のことです。狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤や動脈硬化などが当てはまります。心血管障害を持っている人が性行為を行うと、心臓や血管に強い負担がかかってしまいます。そのため、心血管障害があり性行為が不適当と考えられる人には、性行為をサポートする薬であるバイアグラは処方されません。

また、過去6カ月以内に心不全や不安定狭心症、不整脈を発症した人も、バイアグラの服用が禁止されています。

過去にバイアグラを飲んで過敏症をおこした人

過去にバイアグラを飲んで、かゆみや発疹などの症状がでた人は、服用が禁止されています。

医薬品を飲んだことによって生じる発疹は、薬疹(アレルギー性薬疹)と呼ばれます。薬疹は、医薬品の成分に対する抗体や、成分を異物として攻撃する細胞が体内にできることで発生するのです。薬疹などのアレルギー症状が強く出てしまうと、発熱やリンパ節の腫れ、肝機能障害など、さまざまな症状が出てしまいます。バイアグラの服用を中止しても、症状がさらに悪化することすらあるのです。

バイアグラには、シルデナフィルクエン酸塩はもちろん、添加物も含まれています。特定の添加物にアレルギー反応を起こしてしまうこともあるため、過敏症をおこした経験のある人は、服用を避けましょう。

バイアグラ錠に含まれている成分は、以下の通りです。

バイアグラ錠の有効成分

  • シルデナフィルクエン酸塩

バイアグラ錠の添加物

  • 結晶セルロース
  • 無水リン酸水素カルシウム
  • クロスカルメロースナトリウム
  • ステアリン酸マグネシウム
  • ヒプロメロース
  • 乳糖水和物
  • 酸化チタン
  • トリアセチン
  • 青色2号

脳梗塞や脳出血、心筋梗塞をおこした人

脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を患っている人、または6カ月以内にそれらの病気にかかったことのある人はバイアグラを服用できません。

脳梗塞や脳出血などで脳血管に障害が起こると、脳内の血流を調節する機能が、正常に働かなくなります。そのため、バイアグラを服用して血圧が下がると、脳内の血流が著しく低下し、認知症の原因になる恐れがあるのです。

また、心筋梗塞の病歴をもつ人は、性行為そのものが心臓に負担をかけます。発作のリスクを伴うためバイアグラは服用できませんまた、心筋梗塞を患っている場合、バイアグラの併用禁忌薬である硝酸薬を使うことがあります。心筋梗塞は命に関わるため、硝酸薬の方が優先され、バイアグラは使えないのです。

網膜色素変性症の人

バイアグラを服用すると網膜色素変性症の病状が悪化する可能性があります。

網膜色素変性症とは、視野が狭くなったり視力の低下が進む病気です。進行の度合いによっては失明に至ることもあります。網膜には、PDE6という酵素が多く存在します。このPDE6は、目が光を受けたことを脳に伝える重要な役割をしています。

バイアグラにはPDE6の働きを阻害する作用もあるため、網膜色素変性症の病状を悪化させる可能性があるのです。

副作用の具体的な症状

ここからは、バイアグラの副作用のなかでも、症状が軽いものを紹介します。ここまで紹介してきた重い副作用が出る条件と比べると、症状の危険度は格段に下がります。

軽い頭痛

頭痛はバイアグラの副作用のなかでも代表的な症状です。

市販後の使用成績調査によると、副作用で頭痛が起こる割合は、1.08%(約93人に1人)です。バイアグラの血管拡張作用は脳の血管にも影響します。影響の強さに個人差はあるものの、頭痛は誰にでも起こり得る症状なのです。頭痛の症状は軽く、例えるなら「長時間の睡眠を取ったあと、起床時に感じる頭の痛さ」と同程度と考えていいでしょう。

代替テキスト

バイアグラを服用した後、血中濃度は30分ほどで最高値に到達します。その後は徐々に減少していきます。頭痛くらいの軽い副作用は、むしろ効果が出てきたサインと判断できるのです。

体内に成分が残っている時間は、効果の持続時間はもちろん、副作用が出る時間とも比例します。血液中の成分は、服用してから3時間ほどで半減するため、効果も副作用も、同じく3時間ほどで減少します。

その他の副作用

頭痛以外にも発生率が高い症状は2つあります。顔が赤らんだり熱っぽくなる「ほてり」や「潮紅」です。バイアグラの血管を拡張する作用が、頬の血管に影響することで起こります。ほてりや潮紅も、バイアグラの副作用のなかでは軽い症状と言えるでしょう。報告されている副作用についてまとめます。

副作用を訴えた患者のうち、8割は頭痛やほてり(潮紅)、動悸程度の軽い症状で治まっています。症状の軽さに加え、副作用があらわれる確率自体が5%程度(ファイザー製薬が市販後に行った調査による)とほんのわずかです。飲み合わせや持病などのマイナス条件に該当しない限り、バイアグラは副作用を心配せずに利用できる医薬品といえます。

ごく稀に、以下のような重い副作用が起こる場合があります。

めったに起きない副作用

  • 循環器:胸の痛み、動悸(鼓動の乱れ)、頻脈(心拍数の増加)
  • 精神・神経:めまい、傾眠(うとうとする状態)、昏迷(意識障害)
  • 肝臓:AST(GOT)増加
  • 消化器:吐き気、胃腸障害、口の渇き、消化不良、腹痛
  • 泌尿・生殖器:なし
  • 呼吸器:鼻炎
  • 筋・骨格:関節痛、筋肉痛
  • 皮膚:発疹
  • 血液:なし
  • 感覚器:眼充血、結膜炎、彩視症(無色のものに色がついて見える症状)、視覚(視力)障害
  • その他:CK(CPK)増加、疼痛(体の痛み)、熱感(炎症部などが熱く感じる症状)

AST(GOT)は、肝臓に多く存在する酵素です。肝細胞に障害が起きると血中にASTが漏れだし数値が増加します。

CK(CPK)は、骨格筋などの筋肉細胞に多く存在する酵素です。筋肉細胞に障害が起きると血中にCKが漏れだし数値が増加します。

バイアグラを飲んでも、これらの副作用が出ることはめったにないので、過剰に心配する必要はありません。ただし、併用禁忌薬と一緒に飲んだ場合、重い低血圧を起こす危険あります。また、持病や体質によっては、バイアグラを飲むことで上述の副作用が起こる可能性があります。バイアグラを飲む際は、あらかじめ添付文書をよく読み、禁忌事項を把握しておきましょう。

勃起不全の治療以外に使用した場合の副作用

バイアグラの作用は「陰茎への影響を主とした血管の拡張」です。ED治療以外の目的で使用しても、作用自体は血管の拡張としてあらわれます。ED患者ではない男性が使用する、陰茎自体がない女性が使用する、子作りのために使用するといった場合でも、問題になるような副作用は発生しません。

ED患者以外がバイアグラを使用する

ED患者以外がバイアグラを服用しても性機能にプラスの効果は起こりません。バイアグラは血管を広げ、血流を改善することで、正常な勃起を促す薬です。性欲を増強したり、性的興奮を高めたりする効果はありません。そのため、正常に勃起できる人がバイアグラを飲んでも目立った効果は現れないのです。

一方、バイアグラに使われている有効成分、シルデナフィルには、身体機能を高める可能性が指摘されています。バイアグラには血管を拡張する作用があります。この影響で血流が活発になり、心臓から送り出される血液量が増加します。酸素を体内に多く送ることができれば、運動機能の向上につながるる可能性があるのです。そのため、2008年に開催された北京オリンピックでは、バイアグラをドーピング対象にするか検討されました。

女性がバイアグラを使用する

女性がバイアグラを飲むと、男性が飲んだ場合と同じように、血管が拡張し、血流がよくなります。しかし、女性がバイアグラを飲むことで性機能が向上するというデータはありません。また、製薬会社が作成したバイアグラの資料には「女性に対しては、本剤の使用経験がなく、安全性が確立されていない」と記載されています。

一方で、海外では女性向けのバイアグラが販売されています。パッケージのデザインや錠剤の色が違うだけで、効果は普通のバイアグラと変わりません。医学的なデータはありませんが、外陰部や膣内の血流が促進されることで、感度が増すとされています。

子作りのためにバイアグラを使用する・精子への影響

バイアグラの作用は、陰嚢ではなく血管に働くため、精子には一切影響ありません。

バイアグラは、陰茎海綿体に流れ込む血流を増やすことで勃起を促します。精子は陰茎から離れた精巣(睾丸)で作られます。精巣から精嚢に移動した精子は、射精のときは精管を通って体外に射出されます。陰茎海綿体と精管が機能的につながっていないことに加え、シルデナフィルの成分は細胞に影響を及ぼしません。

ファイザー社がおこなった試験でも、バイアグラの服用による精子の液量、濃度、全体の運動率には悪影響はありませんでした。バイアグラは精子に影響を及ぼさないだけでなく、子作りのプレッシャーによる不安や心配を軽減してくれます。子作りにはメリットが大きい薬といえるでしょう。

バイアグラの副作用に関する疑問

最後にバイアグラの副作用に関する2つの疑問を解消します。

ひとつ目は、バイアグラのジェネリック医薬品も副作用のあらわれ方は同じなのかという疑問。ふたつ目は、容量を増やしても副作用のあらわれ方は同じなのか、という疑問です。 結論からいうと、ジェネリック医薬品と先発医薬品の効果や副作用は同じです。また、副作用のあらわれ方は容量に比例します。

バイアグラジェネリックの副作用

2014年に日本国内でもバイアグラの製造販売が認可されました。そのため各製薬会社から、バイアグラのジェネリックが製造販売されるようになったのです。

バイアグラジェネリックにはバイアグラと同じ有効成分のシルデナフィルが使用されています。体内に成分を吸収する速度、併用できない薬、副作用の頻度もバイアグラと同じです。

バイアグラのジェネリック製品は、以下のものが挙げられます。

国内製のバイアグラジェネリック

  • シルデナフィルOD錠 50mg VI「トーワ」(東和薬品)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「YD」(陽進堂)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「あすか」(あすか製薬)
  • シルデナフィル錠 25mg VI「FCI」(富士化学工業)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「FCI」(富士化学工業)
  • シルデナフィル錠 25mg VI「キッセイ」(キッセイ薬品工業)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「キッセイ」(キッセイ薬品工業)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「DK」(大興製薬)
  • シルデナフィル錠 25mg VI「SN」(シオノケミカル)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「SN」(シオノケミカル)
  • シルデナフィル錠 25mg VI「テバ」(テバ製薬)
  • シルデナフィル錠 50mg VI「テバ」(テバ製薬)

海外製のバイアグラジェネリック

  • カマグラ(KAMAGRA)(アジャンタファーマ社)
  • ペネグラ(PENEGRA)(ザイダスカディラ社)
  • カベルタ(CAVERTA)(ランバクシー社)
  • シラグラ(Silagra)(シプラ社)

バイアグラの容量を増やした場合の副作用

バイアグラの容量を増やせば、効果も副作用も容量に比例してあらわれます。ただし、使用する容量には限度があります。日本国内で流通するバイアグラの最大容量は50mgです。上限の容量50mgとは、日本人の平均的な体格や代謝機能を反映させた上限です。

それに対し、海外で販売されているバイアグラの最大容量は、100mgです。これは、日本人と比較すると、欧米人は体格が大きいことが理由です。体格が小さい日本人にとっては効果が強く出てしまうことが懸念され、100mgのバイアグラは販売されていません。ただし、50mgでは効き目が見られない場合は、50mgが2錠、合計100mgになるよう処方される場合があります。

バイアグラ100mgは、個人輸入を利用して購入できます。ピルカッターで2分割することで、50mgの錠剤としても活用できます。コスト面のメリットが大きい活用法として、個人輸入利用者の間で人気です。

バイアグラの副作用まとめ

バイアグラは、場合によっては重い副作用を起こす可能性があります。安全に利用するために、2つのポイントを守りましょう。

  1. 併用禁忌薬と一緒に飲まない
  2. 自分の体質や持病を把握しておく

この2つのポイントを守れば、バイアグラの副作用はめったに起こりません。起こったとしても、軽い頭痛やほてりなど、軽い症状で済みます。このような副作用は、時間の経過とともに改善されます。バイアグラのジェネリック医薬品も同様です。また、用量を増やすほど、副作用の頻度は上がります。

バイアグラは血管を広げ、血流を良くする効果があります。EDになってない人や女性が飲んでも血流が活発になりますが、性機能が上がる効果は報告されていません。また、バイアグラを飲むことで精子に影響がでることはありません。

参考文献・参考サイト

バイアグラの副作用を阻止!副作用は飲み合わせと持病に注意は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。

  1. 参考:肝機能障害とED / 新宿ライフクリニック
  2. 参考:バイアグラ錠25mg/バイアグラ錠50mg インタビューフォーム / 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構:PDF
  3. 出典:バイアグラ 添付文書 / 医薬品情報データサービス:pdf
  4. 参考資料:バイアグラインタビューフォーム / ファイザー株式会社:pdf
  5. 参考:ジェネリック医薬品について / 日本ジェネリック製薬協会
  6. 参考:バイアグラのジェネリック医薬品について / 浜松町第一クリニック